第185回、はっぴー☆ちゃんねる:E=mc^2 〜アインシュタインと世界一美しい方程式〜


るな 「おは☆はっぴ〜♪」
しん 「第185回、はっぴー☆ちゃんねる!ナビゲータのしんに」
えてぃ「アシスタントのえてぃ、るなでお送りいたします♪」

E=mc^2 〜アインシュタインと世界一美しい方程式〜

しん 「という番組が最近物理学科で話題になっててさ、気になってみてみた見たんだけど面白かったよ。なんで紹介」
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えてぃ「あたしもあんたにいわれて見たわよ。物理わからない人にも、気持ちはわかるように作ってあったわね。まあ細かい計算とかわからなかったけど。この番組は、演出がよかったわね」
るな 「面白かったです!けど…るなとしてはE^2=m^2c^4+p^2c^2として欲しいのです。」
しん 「まあE=mc^2は運動量が0の場合だけど、そっちのほうが有名だしわかりやすいからいいんじゃない?」
えてぃ「一般人には正確さよりも夢のほうが重要なのよ」
しん 「(…逆に言うと物理学者には夢よりも現実的な精度が問題になってくるわけだけどね。誤差伝搬の議論とか大変><)」
えてぃ「なんか言った?」
しん 「ただの愚痴なんできにしないでください。」

理学する女性のはなし

えてぃ「しかしあれね。理学やってる人ってもっと引きこもりな感じしてたけど、あんな楽しくやってるかんじなのね。夫婦でいちゃいちゃしながら研究とか、ちょっとあたしには想像できなかったわ。」
しん 「ああ。まあ実際にあんなバカップル物理学者はそういないと思うけどね。そもそも物理や数学志す女性ってすごく少ないからなぁ」
るな 「まあるながその一人なわけですが。」
しん 「でも実際、誇張してる部分はあるにせよ、女性の理学者も相対的に少ないにせよいることにはいるんだ。番組で取り上げられていた女性もそうだけど、たとえば数学者でもエミー・ネーターって人なんかは有名だな。ネーター環という環論で重要な概念を提唱したんだ。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC
るな 「ネーター環ってイデアル周りの話でしたよね?るな、代数学は入門中に挫折したので詳しくは覚えていないのですが…。あら、解析力学で出てくるネーターの定理ってこの人だったですか!!!」
しん 「あ、ほんとだ。知らなかった。。。」
るな 「アインシュタインの奥さんの話は有名で、アインシュタイン本人は結構計算苦手で、奥さんに検算してもらってたっていうの、番組でもやってましたですが本当らしいのです。奥さんと離婚して、いとこと再婚したっていうはなしもありましたですが、元の奥さんと別れてからは論文出すスピードが落ちたとか」

物理する人の頭の良さってなんだろう?

えてぃ「へー。頭いい人が計算得意ってわけでもないのかしら?」
しん 「まあ最低限できなくちゃいけないけど…でも最近になってようやく思ったんだ。物理で取り上げる題材っていうのは大抵身近じゃない状態を取り扱うことが多いんだけど」
えてぃ「身近じゃない状態?」
しん 「たとえば今回の番組でいえば、アインシュタインが妄想した『光の速度で光をみたらどうなるん?』って話とか」
えてぃ「あー、身近じゃないわね。たしかに」
しん 「俺の研究室なんかでは100nK(ナノケルビン)くらいに冷やした物質を扱うんだけど」
えてぃ「ケルビン?」
るな 「絶対温度っていう温度の単位があるですが、まあ調べてください。ナノは10^{-9}なのです」
えてぃ「ほとんど絶対零度じゃないのよ!確かに身近じゃないし、どうやって実験するかも想像できないわね」
しん 「うん。もっとわかりやすく言えば電磁波だって直接見ることはできないわけだよね。」 
るな 「可視光の波長以外、という条件つきですが」
えてぃ「ふむふむ。」
しん 「そういうものが、『現実世界でどんなふうに相互作用しているのか、それを頭の中で想像できる能力』、それが頭がいいってことなんだって思った」
えてぃ「空想力というか想像力というか…妄想力?」
しん 「アインシュタインはこういう思考実験するのに秀でててそのあたりが他の学者との違いにつながったんだろうな」
るな 「ふむー。るな、自分の妄想力自信ないのです」
しん 「俺は…どうなんだろう?研究実際にしてみないとわからないなぁ。」

理学部の現実

えてぃ「まああんたたちが物理の世界に踏みこんだ理由もなんとなくわかったわ。『物理への誘い』となる良い作品だったわ」
しん 「で、希望を持って理学部の物理学科に入るわけだが、入って早々、理学の現実を知ると。」
るな 「俗にいう『線形代数の洗礼』というやつなのです」
しん 「線形代数で最初にやる群論とか、微積分のε-δ論法とか。あれは面くらうわな。まあわかっちゃえばそんなでもないんだけどそこまでがしんどい」
るな 「そして乗り越えたところでさらなる山が沢山」
しん 「あれだな。丘を死ぬ思いで乗り越えてみたら次の丘が見えるあの絶望感だな」
えてぃ「なに、そのあがったテンションを急落させる愚痴の数々は」
しん 「いや、今年ノーベル賞の受賞のおかげで空前の理学部ブームらしいんだけど、現実を伝えておこうかと思って。これが理学、学部時代の現実だな」
るな 「あながち間違いじゃないです。もちろん楽しい側面もありますが、そればかりじゃないのです」
えてぃ「…まあそれでもあんたたちは踏み込んだんだからやれるところまでやってみなさい」
しん 「がんばります」
るな 「適当に休みつつがんばります」

おまけ

えてぃ「ところで」
しん 「ん?」
えてぃ「あの番組みててふと思ったんだけど、物理学的な口説き文句作ってよ」
しん 「なにその無理難題」
えてぃ「いや、なんとなく。ちょっと興味があって」
るな 「じゃあ、先輩、るなを口説くです」
しん 「え?なにそれ。まじでやんの?」
えてぃ「うん。ほら。さっさとやる」
しん 「えー…うーむ。。。」


しん 『るなちゃん、待ったかい?』
るな 『はい!』
しん 『しょ、正直でよろしい』
るな 『それで話ってなんですか?』
しん 『あー…君と僕とはクーパー対。*1ボーズ・アインシュタイン凝縮*2した僕たちには社会の荒波(=抵抗)なんて乗り越えられる!ぼくと一緒に縮退*3してくれないか!?(ヤケクソ)』
るな 『ちょ、超伝導状態*4な、るな達は抵抗なしにどこまでもいけるわけですね!』
しん 『4.2K*5の明日へ!』
るな 『YBCO*6なら93Kですけどね!』
しん 「…もう、無理。勘弁してくれw」


えてぃ「やらしといてなんだけど…痛いわね」
しん「だったらやらせんな!」
るな 「恋する二人を超伝導に例えたわけですね」
しん 「とっさに、それしか思いつかなかった。」
えてぃ「まあ、あれね。やっぱりわけわからなかったわ。まあ面白いものみれたしあたしは満足」
るな 「るなもドキドキなのでした〜♪」
しん 「俺、恥ずかしかっただけなんですけど。。。」

後日譚

るな 「でもよく考えたらクーパー対って、常にある程度距離保ってますよね。BCS-BECクロスオーバーでもしない限り」
しん 「ふ、二人の仲はある程度距離があった方がうまくいくってことで。。。」
るな 「それに超伝導状態も臨界磁場超えたらすぐ壊れますよね。破局なのです」
しん 「ある程度の不幸(=磁場?)なら耐えられるってことで。。。」
るな 「当然、超伝導転移温度超えたら壊れるわけで」
しん 「ひ、冷えきった仲もよくない。。。か」
えてぃ「つまり、あんたの言葉は、別れ話に最適だったという訳で」
るな 「せ、先輩!ひどいのです!!!」
しん 「ちょ、な、なんて落ち><こんなん二度とやるか!!!」

*1:超伝導状態の電子がアップとダウンでペアを作り、本来フェルミオンである電子が二つカップルでボソン的なふるまいをする状態。

*2:ボース=アインシュタイン凝縮はボース=アインシュタイン統計(ボース統計)に従う粒子(ボース粒子)において、多数(巨視的な数)のボース粒子が1つの量子状態(最低エネルギーの状態)を占める現象(状態)を示す。BCS理論で記述できる超伝導現象では、電子の対であるクーパー対をボース粒子として、厳密な言い方ではないがボース=アインシュタイン凝縮が起きているとみなすことができる。クーパー対は電子対なので、電子対凝縮(単に対凝縮とも)と言うことがある。

*3:固有値が同じものがある状態。

*4:電気抵抗が0の状態。

*5:ヘリウム4の常圧での沸点

*6:YBa2Cu3O7。銅系超電導体で最初に液体窒素の沸点77Kより高い温度で超電導性を示した化合物。ポピュラー。