第204回、はっぴー☆ちゃんねる:さむい!


「正直言ってるあおた、今日のほうですwww」
しゅうまいくんがいつものようについったーの上で、誰かのつぶやきを自動合成して偉そうに語っていた。
俺はいつものようにブラックをすすりながらそれを聞き流す。…さて。秋も深まり急に温度が下がり…さみーよ?さむすぎですぉ。
究極の冷え性おぶ冷え性たる俺…しんにとっては、この時期ばかりは着膨れしてモコモコしてしまうってえもんですよ
「ふぅ…夏は暑くていやだけど、冬は冬で寒いのは辛いわね」
えてぃはほっとミルクティをすすりながらずれかけた膝かけを拾いあげる。えてぃも冷え性らしく冬は袢纏をこよなく愛用している。彼女曰く寒さ>>見た目、だそうだ。
「るなは冬はスキーとかスノボーとかウィンタースポーツができて好きですけどね!」
三人の中で一番薄着な、るなは急須にお湯を注ぐ。寒さにうんざりしながら俺はもごもごとえてぃに尋ねる。
「夏と冬がダメならいつがいいんだよ?」
えてぃは手を擦りながら首を傾げる。数秒考える。
「んー。春…は花粉症でつらいし、梅雨は雨嫌だし、秋は…秋は秋であたしブタクサの花粉症なのよね」
つまりお前は一年中不満だらけなのな。なんか可哀想になってきた。可愛くはないが。
「先輩難儀ですねー。るなは春はお花見ができて素敵だし、夏は花火とかイベント多いし、秋は紅葉がきれい綺麗だし、どの季節も好きですよ」
「ほんと、えてぃは人生損してるよな」
「あら、あたしだってお花見は…花粉症が辛いけど好きだし、花火も…蚊にさされるけど好きだし」
「不満たらたらじゃねぇか」
「うぅ…」

「それはそれとしてあんた、新しい生活はどう?」
とえてぃ。
「んー。情報学は理学とまた違って独特だよね。授業一つとってもみんなノートパソコンだしてパワポ見ながら授業うけたりとか」
「あー、数学や物理はノートパソコンだして授業うけてる人って見たこと無いですもんね。数式ばかりだからTeXでうつわけにもいかないし」
「へえ。ノーパソだしてるってことは…ゲームしてる人とか多そう」
にやにやしながらえてぃ。
「いや、さすがにゲームは俺が見た限りはいなかったけどただプログラム組んでる人おおいね。どの研究室いっても実装しなきゃで仕事多いんだろうな。後ろから見てると、プログラムツールひとつみてもVisualStudio、Xcode、Viといろいろ使ってる人が多くて面白いねー」
「なるほどね。で、あんたは例にもれず」
「プログラム組んでることが多いです。はい」
「やっぱりね」
「でも、プログラミング楽しいんだって。デバッグは正直胃が痛いんだけど、でも完成して新しいものができたときは嬉しいね。やっぱこの分野が自分にあってるのかなーって気がしてる。」
「頑張って専門変えてよかったですね。るなと専門変わっちゃったのは残念ですが。」
「ん。新生活楽しそうでよかったわ」
コーヒーをすすってほっとひと息つく俺。えてぃもるなもお茶をおく。
「明日は大学でオープンキャンパスがあるんだ。ぴちぴちの高校生の相手をしてきます」
「あんたがぴちぴちとかいうとなんかひわいな感じがするわね」
「若い精気を吸って若返ってきます。明後日は半年ぶりに楽器吹いてきます。」
「吹くっていうとトロンボーンですか。がんばってくださいー」
「練習したけどまだ吹けてないところが多いんだよな。正直やばい」
「練習不足ね」
「全くを持ってそのとおりです。はい。」
「ふぁいとです!」
「がんばります。。。」

魔法中年フィジカル柳澤:第一話


まるでスモーク弾が投げ込まれたような煙があがり視界が遮られた。

愛はその一瞬目を閉じた。

何が起こったの!?どういうことなの!?

日常から急に非日常に投げ出されるとパニックに陥るのは自然なこと、勿論愛も例外じゃない。
ぱっと反射的に伏せた。

…のが幸運だったのか不幸だったのかは未だに判断つかないが、目を開けたとき愛はさらに激しいパニック
にさらされることになる。

恐る恐る目を開けるとそこにはセーラ服を身に纏った中年の肢体が生々と浮き上がっていたのだった。

魔法中年誕生

落ち着けあたし。事態を整理する必要があるわ。

大きく息をすって…吐く。うん、大丈夫。

そもそもの始まりは愛の父である柳澤教授に会いに来たところから遡る必要がある。

愛の父は阿呆那大学理学部念動力学系研究室の教授、柳澤 堅である。自慢じゃないけれど念動力学の権威だ。まあそもそも念動力学自体を研究しているのが柳澤教授だけなのだが。念動力学の始祖とかも呼ばれてたりする。念動力学なんて聞いた事ないだろう。その実、研究しているのはこの柳澤教授を除いて他にいない。


残念ながら他の人はそもそもの柳澤教授の理論を理解出来ずにバカにしてるみたいで、「どうせイグノーベル賞しかとれねーだろう」なんて陰口叩いてる人のもいる。柳澤教授自身もそれは知っているが、相手にもしてない。

そんな感じに酷評されているから研究室は閑古鳥状態か、というと実のところそうでもない。興味本位かわからないけどそんなうちの研究室も実は結構学生がいたりする。面白がっているのか本気なのかは測りかねるが。

娘である愛自身、まだ物理を勉強しはじめたばっかりではあるものの、いつか魔法子を発見すんじゃないかなって期待してる数少ないひとりである。

さて。愛は高校三年生で受験勉強真っ最中。そして今日は模試であった。先週まで根詰めて勉強してたからなかなか研究室に顔出すことが出来なかったし、この研究室ののほほんとした空気はとてもリラックス出来るので格別愛着があった。模試を終えた愛は気持ちを切り替えるべく研究室に顔を出した次第である。いつも通り教授室のドアをノックしていなかったら合鍵で入って中で待つ。勝手知ったる我が家のようなものだ。ぼーっと今日の模試の問題を眺めてたんだけど…ここまでは極めて日常的であった。

ここから事態は一変する。


教授室に入ってから15分位経過した時であったろうか。
小さな蝿があたしの周りをぶんぶん飛び回っているのに気がついた。
五月蝿いわねって叩こうと思ったら小さい声で「あぶね!」って声聞こえたのだ。
教授室には誰もいなかく、屋外も休日で静かなものだったから妙に気になって声の出所を探す愛。お化けにおびえるとしでもないが、原因は探っておきたい。

「もし死んだらどうしてくれるんだよ!」

また聞こえる。

「無視はイケナイと思うんだよね。キミ」

さらに聞こえる。
でも声の出所は見当もつかない。

「あー、いい加減に天然ボケするのやめたまえ!」

よく耳をすますと蝿の羽音と声が同期しているように聞こえる。

「でも…」

そんなバカな。

「ほらお嬢さん。目の前にいるのがわたしだよ。聞き間違いじゃないって」

「もしかして喋ってるの、はえさん?」

おそるおそる尋ねる。

「わたしははえなどではない。バイソン・ド・ツーストというれっきとした名前があるのだ。失礼だね君は」

どうみても蝿にしかみえないが蝿は偉そうに自分の名前を名乗った。訝しげに蝿を見つめると蝿は頷くように上下に振動した。
頭の回転の早い方ではない愛は、事の自体についていけずポケっとする。蝿は愛の顔の周りを一周して満足したように上下すると

「うむ。君はわたしの見たところなかなか可愛い子じゃないか」

と嬉しそうに述べた。

蝿に言われても微妙としかいいようがない。

「君にはわたしのパートナーになってもらいたいな」

「丁重にお断りさせていただきます」

即答。愛じゃなくても断るであろう。

「あー、今のわたしはこんな形をしているがね、本来は非常に美しい姿なのだよ。だけど呪いをかけられてしまってね。」

本当に美しい人が自分を美しいと評すかしら?それともただのナルシストなのかしらね?

「それにわたしはツースト王国の王子でもある」

ツーストって聞いた事ないんですけれど。蝿の国ですか?

「そんなわたしのパートナーになれるってことは幸せなことなのだよ。さあ『パートナーになる』というがいい」

そんないきなりわたしの住む世界と違う世界の住人の人にプロポーズされて、しかも自分は美しい王子だと自称するような人のパートナーになろうなどといわれて誰が了承するだろうか?

愛は愛想笑いを浮かべ

「おきのどくですけど…」

やっぱりお断りさせていただきます。

そう言葉は続くはずだった。しかしその言葉はドアノブの音に中断される。

「あ、ちょっと待って」

愛は蝿にこえかけてドアの元へと駆け寄った。



身長の高い陰がヌッとドアの向こうから現れた。予想通り柳澤教授だ。柳澤教授の身長は日本人にしては長身で180cmある。遠い先祖に西洋人がいるのかもしれない。

「うん?愛じゃないか。今日は試験だったんじゃないのか?」

柳澤教授は羽織った茶色のジャケットをハンガーにかけると、教授椅子に座った。愛は柳澤教授のそばで立つ。
ふう、っと一息つくと柳澤教授は愛を見上げ

「試験はどうだったかね?」

と訊ねた。

「やっぱり理系の科目は得意なんだけど文系科目がねぇ。特に英語は時間が厳しくて…」

それから蝿の存在を忘れて愛は模試の感想を柳澤教授に報告し始めた。傍らでおとなしくしていた蝿だったがだんだんイライラしてきたのか八の字をかいて飛び回り始めた。

「ああ、もういい!契約してしまえ!!!」

愛の耳にそんな声が聞こえた。あ、忘れてた、と傍らの蝿に視線を移したその瞬間。


その瞬間の出来事であった。



柳澤教授が五月蝿そうに蝿をひっぱたいたのだ。

「五月蝿い蝿だな」

その直後だ、あの煙が出たのは。

そして今のこの状況に至る。煙が晴れたそこには。。。


セーラー服姿の柳澤教授の姿があったのだ。


絶句する愛。

「おや?」

柳澤教授は周りを見渡し視線を自分の服に落とす。

「ふむ…今日は下には薄ピンクのYシャツを着ていたはずなのだが間違えてセーラー服を着てしまったかね。」

冷静に述べた。

「いや、パパ!!!そんなはずないでしょ!どこをどう間違えたらそんな馬鹿なことが起きるのよ!?」

愛は思わず声をはりあげる。

「現になっているではないか。愛。こういう時に大事なのは現実を疑うことではない。現実の根拠となる原因をさぐる事だよ。科学とはそういうものだ」

「セーラー服と科学は関係ないでしょ!!!っていうか、どうしてこの異常事態で落ち着いてられるの!!!???」

愛はオロオロしながら叫ぶ。正直目に毒だ。スカートのしたからでている素足にはスネ毛がこく生えている。セーラー服も短いのか、へそ出しルック状態だ。柳澤教授の身長が高いのも災いしてか非常にバランスの悪い姿である。というか身長が高かろうと低かろうと、中年紳士のセーラー服が似合うなぞどう考えてもありえないだろう。

「あ…あああ…な、なんということだ…」

叩かれた蝿も急死に一生を得たようだ。ふらふらとしながらオロオロしている。冷静になると事の現況はこの蝿としか考えられない。

「せっかくめぐっちを魔法少女にしてあげようと思ったのに…」

「めぐっちって誰のことですか!っていうか魔法少女ってなんですか!?」

愛の言葉にこたえず蝿は続けた。

「パートナーが教授に…教授を魔法中年にしてしまった…な、なんということだ…」

その声は悲壮感に溢れていた。

第203回、はっぴー☆ちゃんねる:突撃!えてぃの晩御飯!!


るな「おは☆はっぴ〜♪」
しん「第203回、はっぴー☆ちゃんねる!ナビゲータのしんに」
えてぃ「アシスタントのえてぃ、るなでお送りいたします♪」


えてぃ「ちょっと作りすぎたんで今日はみんなを晩御飯に招待するわ」
しん 「お」
るな 「おぉぉぉおおおおお!!!」

えてぃ「作りすぎたんであって別にみんなのために作ったわけじゃないんだからね?特にしん?」
しん 「お?」
えてぃ「『くれぐれも』勘違いしちゃダメなんだからっ!!!」
しん 「俺なにもいってないだろwお、しかいってないぞ」
えてぃ「ならいいんだけどねっ!」
るな 「えてぃさん、今日の献立の紹介をっ!」
えてぃ「うん。久々に中華料理が食べたくなって『チキンスープ』『回鍋肉』『ほうれん草のお浸し』ね」
しん 「お浸し好きだなw」
えてぃ「料理が楽なのよ。ゆがくだけでできるし、春菊とか菜の花とか普段食べないものも食べられるしね」
るな 「回鍋肉!」
えてぃ「といってもただの豚肉とキャベツを醤油と甜麵醬で炒めただけなんだけどね。少し鶏がらで味補ったけど」
るな 「なるほど〜。るな、料理って料理の本読んだり誰かから教わらないとできない子なのです。去年のバレンタインも結局えてぃさんにお手伝いいただいた感じだったし」
えてぃ「そうだったわね。筍とか入れたらきっと美味しかったんだけどかい忘れちゃった。残念」
しん 「確かに具が豚肉とキャベツしか入ってない…」
えてぃ「うぅ、あたしてきには75点ってとこなのよね。味はいいんだけどいかんせん具がたりてない。栄養偏ってるし。準備不足が多かったわね。次回はもっと美味しいもの作るんだっ!!!」
るな 「がんばなのですよ!」




るな 「えてぃさん」
えてぃ「ん?」
るな 「今年もバレンタインデー、お手伝いよろしくなのですよ」
えてぃ「ちょ…手伝うのは構わないけどしんに聞こえないように言いなさいよ」
るな 「そおですか?…先輩今の聞いてました?」
しん 「ん?なんの話?」
るな 「ほら大丈夫ですよ」
えてぃ「ならいいけど…」
しん (聞こえたことは黙っておこう。来月の自分の為に)
るな (どうせチョコ作ることばれてるんだから最初から言えばいいのに…)

第202回、はっぴー☆ちゃんねる:聖地巡礼@鷲宮神社


るな「おは☆はっぴ〜♪」
しん「第202回、はっぴー☆ちゃんねる!ナビゲータのしんに」
えてぃ「アシスタントのえてぃ、るなでお送りいたします♪」



しん「新年あけましておめでとうございます!」
るな「おめでとうございますなのですよ!」
えてぃ「本年も宜しくお願い申し上げます!」
しん「お陰さまで無事年もこせました!というわけで初詣行くぞ!」
るな「行くのです!!!」
えてぃ「それは構わないけどどこの神社に行くの?」
しん「色々考えてみたんだけど関東最古の神社ということで有名な鷲宮神社に行こうと思うんだ。ちょっと遠いだけど明治神宮や神田大明神とかだと混んでそうだからいいんじゃないかな」
えてぃ「ふーん。まあいいけど…にしても鷲宮神社ってどっかで聞いたことある神社なのよね。テレビだったかしら?」
ぎくっ
しん 「ま、まあ有名な神社だからテレビで取り上げられたのを見たんじゃないの?」
えてぃ「ふーん?」



るな 「おはようございます!」
えてぃ「おはよう、るなちゃん。しんちゃんと起きたのかしら?」
るな 「twitterには、『奇跡的に朝ちゃんと起きれた!!!』とかかいてあったのです…が」
しん 「お、ふたりともちゃんといるな!」
えてぃ「あんたが一番最後なのになんでえらそうのよ。にしても初詣、時間早すぎない?まだ8時じゃない」
しん 「いや、万が一混むと行けないから…」
えてぃ「?近場が混むから遠くに行くっていう話じゃなかったの?」
しん 「い、いや、だから万が一って言ってるじゃない」
えてぃ「釈然としないわね」
るな 「えてぃさん、先輩、伊勢崎線来てるですよ?」
しん 「お、早く乗らないと。春日部で乗り換えだな」
るな 「なのですよ!!!えてぃさん!ほら早く」
えてぃ「はいはい」


しん 「もっと遠いのかと思ってたけど案外近かったな」
るな 「ですね〜。あ、鷲宮神社のポスターなのですよ!」

えてぃ「…らきすた?」
るな 「あれ?えてぃさん知らなかったのですか?」
しん 「あ、るなちゃ…」
るな 「先輩、今更隠しても無駄ですよ。。。えてぃさん、鷲宮神社、『らき☆すた』の聖地なのですよ」
えてぃ「聖地っていうと」
るな 「かがみんの家のモデルが鷲宮神社らしいのです。で、数年前から聖地として巡礼する人たちがいるんですって」
えてぃ「…まあこんなことじゃないかとおもってたわよ」
しん 「っていうかるなちゃん、えらい詳しいな」
るな 「先輩があまりにオタクなのでるなもすこしずつアニメとか勉強し始めたのですよ」
えてぃ「ああ、るなちゃんが染まっていく…」
るな 「まあそれもありますが、本当は今日行く神社のことを調べたらニュースサイトに詳しくかいてあったってのが本当のところなんですけどね」
えてぃ「はー。。。なるほどねぇ」
しん 「じゃあ、そろそろ行こうか。東口かな…」

えてぃ「早速すごいわね」
しん 「うん。。。」

しん 「ここまっすぐだな」




えてぃ「ああ、なるほどね。町ぐるみなのね」
しん 「まあ最初から話をすると、『らき☆すた』のかがみんの家のモデルが『鷲宮神社』だっていうのがネットで話題になって、でオタクが鷲宮神社に集まって参拝、絵馬がらきすたで埋まるという現象が起こったわけ。で、それがニュースで取り上げられてさらに祭りになった、と。で、神社もまちも最初はびっくりしたけれど、オタクはお金もちだからむしろ受け入れる体制をとった方がいい、まちおこしになる、そういう論理だな」
えてぃ「なるほどねー。だからこうまでして町ぐるみで『らき☆すた』やってるわけなのね」
るな 「ですねー。最初は戸惑ったでしょうねぇ。。。」
しん 「だね…お、ついた」


しん 「おぉ…たしかに『もってけ!』でかがみんが踊ってるシーンの背景と同じだ!!!感動だ!!!」
えてぃ「…オタクの感動のポイントって理解し難いわね。。。」
るな 「ちょっと先輩…」
しん 「ん?…うわw」
えてぃ「なにあれ」
しん 「痛車だwwwすごいな。しかも見渡しただけで4台はいるんだけど…」



えてぃ「出店までかがみん」

しん 「だな」


えてぃ「はー」
るな 「なんと」
しん 「おー、これは噂に違わずすげぇ!」











えてぃ「これは確かに話題になって然るべきね」
るな 「今日は四日なので、三日の間にこんなにたくさんの絵描きさんが訪れたということですね」
しん 「だな。うん。なんかもうすごい満足した」
えてぃ「だいぶお腹いっぱいそうね。じゃあお参りして帰りましょ?」
しん 「あ、そっちがメインだった」
るな 「ちょw」



しん 「来年こそは〜ごにょごにょ〜」
えてぃ「…の成長を…」
るな 「…平和を」
しん・えてぃ「…」(るなちゃんって…)



しん 「おし、じゃあ俺も絵馬描くかな…」
えてぃ「描きたくて仕方なかったのね…」
しん 「おし、ちょっと時間かかるから色々見ててよ」
るな 「ぁぃー」



しん 「おまたせ」
えてぃ「お?できた???」
しん 「うん。絵、買いてたら小学生位のこたちにジロジロ見られて、そのあと『パパ〜、お絵かきしてる〜!!!』って言われたwww」
えてぃ「違いないわね」
るな 「違いないのです」

えてぃ「『いつまでもこんな楽しい国でありますように』って色々含みがあるわね」
しん 「俺、アニメや漫画の生まれた日本、大好きなんだ。だからこれからもこの文化が発展して行くようにっていうお願い」
えてぃ「へー、殊勝じゃない。でも本音は右上の…」
しん 「じゃあそろそろ帰ろうか!!!」
えてぃ「逃げたわね」
るな 「逃げたです」



しん 「帰りにちょっとよりたいところがあるんだけど」
えてぃ「いいけどどこ?」
しん 「商工会議所。なんか住民票をくばってるとかなんとか」
るな 「じゃあ行ってみるのです」

しん 「ここだね。会議所の人に聞けばいいのかな?」
えてぃ「じゃないかしら…って中、すごいことになってるわね」



るな 「『写真撮影する場合は声をおかけください』ですって」
えてぃ「みんなあんたみたいに撮影して行くわけね」




えてぃ「そろそろお昼だけど昼食どうする?」
るな 「るな、おなかがすいたのです」
しん 「そこにうどん屋があるからそこでいいんじゃないか?…すみませーん…ってwww」
えてぃ「うどん屋も例外ではなかった、とw」




えてぃ「はー、くたびれたわー。色々な意味で」
るな 「でもるなは面白かったですよ!」
しん 「俺は大満足だったよ。うん。あらためて今年も宜しく」
るな 「よろしくお願いします」
えてぃ「よろしくおねがいします」





[おまけ]
つかさがオープニングで踊っているところのモデルに成った春日部駅

およびよく通学シーンで登場するホーム

第201回、はっぴー☆ちゃんねる:村は死によって包囲されている


るな「おは☆はっぴ〜♪」
しん「第201回、はっぴー☆ちゃんねる!ナビゲータのしんに」
えてぃ「アシスタントのえてぃ、るなでお送りいたします♪」

えてぃ「『村は死によって包囲されている』から始まる小野不由美主上の傑作ホラー『屍鬼』を読んだのでレビューなのですよ」

屍鬼(一) (新潮文庫)

屍鬼(一) (新潮文庫)

えてぃ「400〜600頁で全五巻あったので読み終えるのに一週間もかかっちゃった。。。」
しん 「…十分速いと思うのだが」
るな 「るなは活字苦手なので完走も無理かと」
しん 「小野不由美ってあれだろ?『十二国記』の作者じゃなかったっけ?」
えてぃ「そうそう。『十二国記』は異世界ファンタジーだけど、小野不由美はもともとホラーでデビューしたのよね。あたし自身ずーっとこの本の存在知ってたし読みたいと思ってたんだけど」
しん 「えてぃ、怖いの苦手だからなぁwww」
えてぃ「う…むむむ。。。ま、まあそのとおりなんですけどっ!!!小説5巻計2500頁は正直読みきれる自身がなかったから躊躇してたんだけど今藤崎竜って漫画家がジャンプスクウェア屍鬼をコミカライズしてたのよね」
屍鬼 1 (ジャンプコミックス)

屍鬼 1 (ジャンプコミックス)

しん 「藤崎竜封神演義とか有名だよね。『waqwaq』以来最近見ないと思ってたらJSで連載してたのかー」
るな 「ふむふむ」
えてぃ「とりあえず導入に、と漫画の方を読んだんだけど、いつのまにか最新刊においついちゃって先が気になって気になって結局」
しん 「小説に手を出してしまった、と」
えてぃ「そういうこと。

卒塔婆を作ることで村が成り立っている、外界とほとんど接触のない外場村が舞台。のどかな村なのにある日を境にすこしずつ侵食されて行く…なぜ今年はこんなに死人が多いのだろう?いや、今年はたしかに例年に比べて暑い。少し増えたからといって不思議はあるまい。…これは少しと言えるのだろうか?」
るな 「どきどきしますね」
えてぃ「この作品はなんというか伏線がスゴイ。何気ない村の描写がパズルの鍵になっているのよね。そしてなによりスゴイのが読者の視点がいつのまにか変化する」
しん 「視点?」
えてぃ「立ち位置といえばいいのかしら。まあどういうことかはネタバレになるし小説読んだ人じゃないと感覚が分からないと思うけれど」
しん 「なるほどねぇ」
えてぃ「ところで漫画の方、原作と離れつつある兆しが見えるんだけど」
しん 「封神演義藤崎竜の独自解釈と創作があって途中から原作と離反していったからなぁ。でもそれはそれで面白そう。」
えてぃ「そうね。月刊だからなかなか続刊がでなるけど、続きも買っていくことになるんだろうなぁ。。。」


えてぃ「さすが小野不由美主上ね。こんな素敵な日本語をかけるの、羨ましいわ。あたしも文章力があったらなにか書きたいんだけれどね」
しん 「文章力無いのに物語かいてさーせん!」
えてぃ「あんたたしかに無いわ。精進なさい」
しん 「はい。。。」

第200回、はっぴー☆ちゃんねる:祝200回

るな「おは☆はっぴー♪」
えてぃ「あんどメリー、クリスマス!!!」
しん 「&Congratulations for the 200th Happy☆Channel!!!」
えてぃ「第200回、はっぴー☆ちゃんねる!ナビゲーターの」
しん 「しんに」
えてぃ「アシスタントのえてぃ」
るな 「るなでお送りします!!!」


えてぃ「ついに200回ね」
るな 「なのですよ♪」
しん 「二年と2ヶ月か。およそ760日だから3.8日に一回は更新してきた形になるな」
えてぃ「はっぴー☆ちゃんねるの更新、ムラがあるからね」
るな 「分散が大きいのです。」
しん 「結局200回で何やるか悩んだんだけど199回〜200回にかけて『りがくぶ!?』のマナとホシミの高校時代を描くことで落ち着きました。絵、結局間に合わなかったなぁ」
えてぃ「ペン入れまでは終わってるんだっけ?」
しん 「うん。まあ仕方ないね」
るな 「次は250回ですね。いつになることやらなのですよ」
えてぃ「というか250回、迎えることできるのかしら。最近みんな忙しいものね」
しん 「ね、なかなか更新できないけどまだまだ続けたい気持ちは一杯。がんばるます」
るな 「頑張りましょうね、先輩!」
えてぃ「というわけで200回記念なのでした♪今後も『はっぴー☆ちゃんねる』をよろしくお願いしますなのですよ〜!!!」

りがくぶ!?〜はいすくーる☆でいず〜後編

前編:id:hoshimi_etoile:20091223

 二人の間の会話が切れる。
 そんな二人の間に一陣の風が通り抜けた。靡いた紙をとかしつつ空を見上げる。済んだ青空に枯れ葉が舞っている。
 冬…か。
 授業中に感じた感傷を再び感じる。わたしにとっていつもの冬はただ寒く、冷え性なわたしにとってただ憂鬱な季節であったが今年は意味合いが違う。高校三年生。卒業の年だ。この冬が明けて春を迎えたらわたしはこの高校を去らなければならない。よく小説や漫画で高校の卒業は感慨深い情景として描かれるがこれまではピンとこなかった。小学校の卒業式では級友と分かれなければいけなくてもちろん泣いたが、中学の卒業式はわたしの高校が中高一貫だったためになんの感慨ももてなかった。でもこの季節が来て、はじめてその気持を身を持って感じている。
 この高校を離れたくない。
 かというとそれはそれで微妙なところだ。高校という教育環境は義務教育ではないとはいえ、自分がさほど興味がない分野の勉強を強制的にやらされる環境であり、自分の興味分野に裂ける時間が相対的に減る。そして大学受験というこれまた義務ではないが半ば義務となっているイベントのせいでさらに減る。大学に入学すればその環境もかわるであろう。好きな時間に好きな勉強、遊び…とまではいかないまでもある程度の自由は認められるだろう。それを考えると今の環境がずっと続くのもいかがなものかな、と思う。
 一方で三年、中学校も含めて六年も通い続けたこの学校をさるのはやはり後ろ髪をひかれるものがある。部活もずっとやっていたし、親しくなった友達や先生、後輩もいる。その人々と共有していた環境を離れなければならないのはやはりつらい。
 この複雑な、入り交じった感情が『感傷』なのかな?とか思う。
「ほしみん」
 マナの声に横をみると、マナの食事をする手が止まっている。マナは箸を置くと真剣な眼差しでわたしを見る。
「あたしと離れるの、寂しい?」
 !?
 頭の中が一瞬ホワイトアウトする。
 直後にいろいろな不可解な疑問が頭の中を駆け巡る。そしてかろうじて出てきた言葉が
「こ…告白?」
 まさかの百合フラグ?女子高って話にはそういうこともないわけではない、みたいな話、聞いたことあるけれどマナがそんな感情を持ってたなんて?え?
「ある意味そうかな。ねえ。寂しい?」
 マナはさらにそう言ってわたしに詰め寄った。
 確かにわたしに興味を持って近づいてきたのはマナの方で、もちろんわたしもいろいろな意味で彼女に興味を持ってたから(マナは色々な伝説の持ち主なので)親友になるのは早かったけれど…え?でも?
「い、いやそりゃもちろん寂しいけれど…ど、どうしたのよいきなり」
 ひたすら当惑し続けるわたし。しかしそんな様子に気付かずにマナは続けた。
「あたし、ほしみんと同じ大学、行かないかもしれない」
「…え?」
 再びホワイトアウト
「京大(けいだい)いくのやめるの?」
「うん」
 小さく頷くマナ。午前中の授業の自信満々な表情とは打って変わって神妙な面持ちだ。マナの本気が伺える。その様子に打ちのめされる。確かに告白だ。でも勿論意味が違う。ただのわたしの勘違い。舞い上がっていたわたしがバカみたいだ。
 わたしもマナも女の子としては珍しいことだけれど理学志望だ。マナは既知の通り数学志望。わたしは、というと当然彼女には太刀打ちできないであろうことは身を持って知っているので数学を一緒にやっていく気はさらさらないのだけれど、物理に関しては気持ちだけは負けない自信がある。私の両親はわたしに、美しい星とかいて『星美』と名付けた。残念ながら星を見上げる事自体にはあまり興味はなく星座もオリオン座や北斗七星、カシオペア座くらいしか見分けがつかないのだけれど、星や宇宙の創世には興味があった。天体核と呼ばれる物理の分野のひとつらしい。そんなわけで中学の頃からなんとなく「理系なんだろうなぁ」と思っていたし高校に入ったら「あたしが物理をやらないで誰がやる?」だなんて思っていた。いや、そんなに成績がよいわけじゃないけどね。
 そんなふうに思ってた矢先に数学界の申し子と崇められているマナと仲良くなった。そして仲良くなったあと、二人でときおり将来の話になったおりに、「数年後は二人で京大で理学やってる気がする」「確かにw」みたいなやりとりをしていたのだ。なのになぜ?
「じゃあ東大(あずまだい)に行くの?それとも海外?」
 マナに関しては海外の推薦もありえないわけではなかった。それほどの実力を持っている。
「東大」
 マナはぼそっといった。
 どうしてだろう?
 東大の方が優れた分野は多い。完了も排出しエリートコースなのは間違いない。素晴らしい大学なのは間違いないのだ。しかし理学に関してはその限りではない。理学のノーベル賞は京大の方が多い。特に数学に関しての世界の大学ランキングは二位だ。国内でそれ以上の大学はない。学問する環境として最高だろうになぜ。
「どうして?」
 そう訊ねたわたしの声は心なしかかすれていた。そうたずねるのでさえやっとであった。ショックは大きい。
「今朝、先生に、東大を受けるように言われた」
「な、なに言ってるの?先生に何言われたってあんたの人生じゃない。学校選ぶことに口出すとか、大きなお世話じゃないの!!!」
 怒気をはらんだ声をあげ地団駄を踏んだ。乾いた音が響く。そんなわたしを穏やかな目で見つめるマナ。
 話を聞くにこういことであろう。わたしやマナの通うこの女子高は県内トップの私立高である。当然県内ではトップレベルの入試をくぐり抜けた優秀な生徒がいるわけである。で、『県内トップ』という称号は何で得られるかというと有名国立大学の合格者人数なわけである。だからひとりでも多くの合格者を出したいのが教師達の本心である。実のところ東大も京大も国立大なわけで条件は十分パスしている。はずである。
 が、同じ合格者数だった場合に東大の方が対外的に見ると評価される傾向が強いため、どうせどちらにも合格する実力を持っているのな
ら東大を受けろ。そういうことである。
「マナはそんな基準で大学を選ぶの?数学好きなんじゃないの?」
「東大にも素晴らしい先生は沢山いるよ?」
 東大には解析概論という数学のバイブルを著した教授がいた(故)の
も事実である。
「たしかにそうかもだけど、あたしがいるじゃない」
「それは決定的な理由にはならないよ」
 二人の間に風が吹く。この風邪は二人を引き裂こうとしているのかも
しれない。
「じゃあなんで!」
「あたしにとって東大も京大もわりと同じくらいな評価なんだ。だけど先生が東大にうかったら奨学金免除の推薦状を出してくれるって」
 つまり判断に迷っていたところを金で釣ったのだ。
「そんなの卑怯よ!!!」
「もちろん最後に結論出すのはあたしよ」
「っ!!!」
 言葉が詰まる。
「自分で結論がでてるのね」
「うん。やっぱり学費免除は生活にかかってるから無視できない。東京でも京都でも結局下宿になるから両親への負担、かなりかかるだろうから」
「そう…」
「うん…」
 お金のこととなるとわたしもいうことができない。家庭の事情だ。なぜ東大の場合は推薦状を出して京大の場合は推薦状を出さないのかと憤る部分もあるが、高校側にも事情があるのだろう。納得いかないがわたしは第三者だ。
 少し目頭が熱くなる。マナとは大学へ行っても別れないものだと思ってたけど想像以上に別れは早かった。
 涙をこぼさないように、見えないように、上を見上げる。そして背中を押す決意をするのだ。気丈を装ってマナに向かって言った。
「自分で決めたなら仕方ないわね。東京は人多くて大変だって聞くけれど頑張んなさいね!」
「うん!」
「変な人についていかないでね!!」
「うん!!」
「ちゃんとした女の子みつけて食わせてもらいなさいね!!!」
「うん!!!」
 マナとお互いに視線をあわる。そしてニッとするのだ。マナもわたしも女同士だが、いっそ男らしい関係なのかもしれない。二人は視線を弁当に戻すと無言でお弁当を平らげた。


 冬はあっという間だった。
 土下座先生(マナに国語を勉強するように懇願した先生。それ以来土下座先生というあだ名がついてしまったらしい。)はこりずにマナに国語をどうか勉強するように土下座し続けている。しかし断固として勉強しないマナ。そんな日常(非日常?)も過ぎ、自由登校期間に入る。
 自由登校期間とは、授業がなくなり、自由に登校し自習できる期間である。1月に入ると入試が始まるため投稿する生徒が一気に減る。寂しい季節だ。正直合格圏内ギリギリのわたしは一切通わず家にひきこもって勉強しては悶絶する日々を繰り返していた。マナともしばらくあっていない。
 無事インフルエンザにもかからず、センター試験を迎えることができた。久々にマナと会う。願書はやはり東大に出すらしく、それを聞いて彼女が去ったあとで肩を落とした。
 京大はセンター試験はほとんど関係ないのであまり気にしていなかったが、風の噂でマナは8割3分だったらしい。ギリギリの点数だが東大受けるにはなんとかなる点数である。マナの場合は本試が抜群なため、なんだかんだいって受かるんだろうと思うとやっぱり落胆した。
 本試験当日。試験会場でマナの脳天気な姿が無いか無意識のうちに探す。がやはりというか当然というか見つからずガックリと肩を落とす。
 ううん。わたしには他人を気遣うほどの余裕は無いはず。ここでしっかりしないと。
 詳細の出来具合はおいておいて、数学に関しては自分でも驚くほどのできであった。未だかつて無いできで、満点ちかくとれたうえで30分余っておろおろするという状態。他も人並みにはとれた自信がある。

…うかったんじゃないかな?

 慢心するのはまだ早い。後期試験は東大に出願してある。落ちてる可能性であって当然あるわけで、試験が終わったあとも受験生は勉強しなければならない。
 忙しい日々が続く。国立大学の合格発表は3月の10日前後で、卒業式は3月6日であった。そのため合格発表の前に悶々としながら卒業するという国立大志望の生徒にとっては微妙な卒業式なことで有名であった。
 卒業証書を手にクラスで記念撮影を終えたあとわたしはマナと二人になった。
「東京に行ってもあたしたち、友達だからね!!!」
「うん、そうね」
若干煮えきれないマナの反応に小首を傾げるも手を差し伸べてきたマナの手を私はしっかり握る。
「まともなもの食べるのよ!」
「ほしみんそればっかり」
「それくらいあんたの食生活は見てる者を不安にさせるのよ」
「善処するわ」
「どうせ無理なこと目に見えてるからはやくあんたを養ってくれる誰かを見つけることね」
「何を失礼な」
「何をいまさら」
二人で視線をかわしてニヤリとする。
「じゃあ、またね」
「また!ね!」
そのまたが遠い『また』なことを二人は知りながら二人は『別れ』を告げた。







春。






桜は満開とはいえ、暖かかったり寒かったりと一日の寒暖が激しい。
わたしは厚手のコートに身を包んで京大正門の前に立っていた。
わたしは無事、第一志望の京大に受かることができた。
合格発表時喜ぶと同時に、マナと一緒にキャンパスライフを過ごすことはないんだと落胆したものである。
もしかしたらマナに恋してたのはわたしの方なのかもしれないな。
だなんて思ったりもしたけれどそれはそれ。やはり大学は心機一転、新しい友達を作って新しい生活をすべきである。いつまでもくよくよしていても始まらない。
わたしは新品のスーツを身にまとって入学式会場である体育館へと向かった。
「…ん」
誰か聞き覚えのある声がした気がした。
「?」
わたしの同級生の何人かはこの大学に受かっているのでもしかしたらそのひとりかもしれない。わたしは周りを見渡す。特に見当たらず足をすすめる。
「…しみーん」
だんだん声が大きくなる。今度こそ幻聴ではない。方角に目星がつきそちらへと眼をやる。



そこには身長低め、ツインテールのまな板娘が立っていた。