『胡蝶の夢』

胡蝶の夢(二) (新潮文庫)

胡蝶の夢(二) (新潮文庫)

しん 「『胡蝶の夢』。時は江戸幕末。ペリー来航により、眠れる日の国日本は、飛び起きつつあったぁ!」
えてぃ「で?」
しん 「この小説の主人公は司馬凌海、松本良順の二人。当時漢学のみ奨励されていて、蘭学(オランダの学問=当時の西欧を起源とする唯一の学問)は厳しく制限されていたんだけど、その蘭学、特に蘭学医療を研究しようとした当時としては変わり者の二人のお話だな。蘭学の研究は当時、とても大変で、そもそも洋書というものが出回っていなかったし、あったとしても、外国語をしゃべれる人は長崎の出島の他にはいなかったわけで、発音も分からないまま暗号を解読するように研究されてたらしいよ。良順は当初幕府に仕えていた身分だったために、漢学を勉強しながら隠れて蘭学の勉強をしていた。司馬凌海は良順の弟子で、佐渡から江戸に出てきた天才児なんだけど、常識が無いために色々と苦労して、色々と数奇な運命をたどることになるんだ。
まあそもそもさ、辞書なんてものがほとんどなかったらしいしな。あったとしてもちょっとした単語帳レベル(しかも間違い多い)だったらしいし。ターヘルアナトミアを解読した杉田玄白前野良沢も、暗号を解くようにして解体新書を書いたんだって」
えてぃ「へぇ・・・。当時のそれを考えると今の勉強は楽よね。勉強対象となるソースは本屋にでも図書館にでも沢山あるわけだし、インターネットでかなりの所まで調べられるしね」
しん 「な。全四巻のうち、とりあえず一冊読んだんだけど、これはちょっと俺的ヒットな予感」
えてぃ「俺的ヒットって・・・」


しん 「というわけで、そろそろ時間でっす」
えてぃ「次回もまたよろしくねん!バイビー♪」