はっぴー☆ちゃんねる:「胡蝶の夢」「東の海神 西の滄海」


えてぃ「おは☆はっぴー♪」
しん 「第78回はっぴー☆ちゃんねる!ナビゲータのしんに」
えてぃ「アシスタントのえてぃでっす☆」
しん 「久々に下宿に戻ると」
えてぃ「うん」
しん 「やっぱ料理つくんのめんどくせーとか思うんだよな。それに」
えてぃ「それに?」
しん 「料理中『オイスターソースが実はベムスターソースだったらどうしよう』*1とかボケても誰も突っ込んでくれないし」
えてぃ「…仮に誰かがいてもあきれて何もいえないと思う…」


しん 「ところで『胡蝶の夢』の二巻をやっと読み終えたのでレビューです」
えてぃ「ハイハイ」

胡蝶の夢(二) (新潮文庫)

胡蝶の夢(二) (新潮文庫)

しん 「長崎でオランダ人学者ポンペ指導のもと、蘭学学校を開始した良順と伊之助(後の司馬凌海)。伊之助は蘭学を志すものの、蘭学に限らず英語・ドイツ語・ラテン語・中国語などを水のように吸収した天才だったんだけど、天才と奇人は紙一重、とよくいうように周りの人間となじめないタイプでもあったんだ。」
えてぃ「江戸時代にラテン語っていうのはすごいわね」
しん 「司馬遼太郎曰くたぶん最初にラテン語を学んだ人なんじゃないかって」
えてぃ「ふ〜ん」
しん 「で、医学者だったポンペの洋書を許可を得ずに読んだりしていたのをポンペにまで煙たがられてしまい結局一人長崎を離れる。そして平戸に放浪し、妻を娶るところまでが二巻のあらすじだな」
えてぃ「物語としてはどうなの?」
しん 「なかなか。保守的な社会の中で洋学を志してそれを普及させようと奮闘するその姿が面白い。特にポンペがなそうとしていたのは身分に差をつけず診療するという病院を作ろうとし、それまでに幾多の困難があってそれを乗り越えていく姿とか」
えてぃ「なるほどね。幕末史って面白いわよね。徳川家が滅びて明治が興ったそのメインの物語以外にもこんなにもドラマがあるんだもの。司馬遼太郎があんなに沢山幕末に関する物語を書かれたのもうなずける話よね」
しん 「うん。幕末物は『龍馬が行く』『燃えよ剣』『最後の将軍』と読んだけど全部面白かった。色々な局面から見れて楽しいよ。みんな読んでみそ」
えてい「みそ…(死語ね)」


えてぃ「ところで」
しん 「ところで?」
えてぃ「『東の海神 西の滄海』を読んだのよ」

東の海神 西の滄海 十二国記 (講談社文庫)

東の海神 西の滄海 十二国記 (講談社文庫)

しん 「お、十二国記か。…確か延の物語だったよな?」
えてぃ「うん。赤子陽子の頃から500年ほど前の物語ね。時は応仁の乱。瀬戸内海の小国の王子、尚隆は海戦で敗北しその国が滅んでしまう。そこに現れたのが延の麒麟、六太だった。六太は尚隆を王にすることで二人の物語が始まるの。この二人が荒廃した延を復興するまでの物語ってわけ」
しん 「面白かった?」
えてぃ「うーん。そこそこ。やっぱりメインストーリーが良すぎてそれに比べるとどうしてもサイドストーリーは見劣りしてしまうのよね。いや、サイドストーリーというわけではないのかもしれないけど…ともかく『月の影 影の海』『風の万里 黎明の空』には及ばなかったなぁ」
しん 「そっかー」
えてぃ「でも小野不由美の文体は好きだし次は『図南の翼』を読もうかしら」
しん 「すっかり本中毒だな」

*1:ベムスターウルトラマンシリーズに出てくる敵。ただしハヤテの作者はベスターと勘違いされたのではないかと