第152回、はっぴー☆ちゃんねる:『弱い相互作用3:カーリープロット』


るな 「おは☆はっぴ〜☆なのですよ!」
しん 「第152回はっぴー☆ちゃんねる!ナビゲータのしんに」
るな 「臨時のアシスタントのルナなのです!」
しん 「だいぶ慣れてきたみたいね」
るな 「ルナ慣れてきました!今後もがんばるです(* ̄∇ ̄*)エヘヘ」
しん 「どうでもいいんだけどDSでクイズマジックアカデミーがでたんだけど」
るな 「なんですか?それ」
しん 「コナミのだしているオンラインクイズゲーでもともとアーケードゲーム
るな 「へー」
しん 「アニゲー、学問、雑学はいけるんだけどスポーツ、芸能がさっぱりでケルベロス組から上にいけない」
るな 「なんか先輩知識偏ってるっぽいですもんね」
しん 「うーん。どうしたもんかなぁ・・・」

カーリープロット

しん 「さて、前回の続きだね」
るな 「はい☆」
しん 「前回話したフェルミの黄金律の復習」
\lambda = \frac{2\pi}{\hbar}| <\phi_f |H| \phi_i>|^2 \frac{dn}{dE} (e^-,\overline{\nu_e})
るな 「単位時間あたりに初期状態から終状態に遷移する確率でしたよね?」
しん 「そうそう。とりあえずこのブラベクトル・ケットベクトルを毎回書くの大変だからこんな感じにまとめてみよう」
M_{fi}=<\phi _f |H| \phi _i>
るな 「ブラベクトル、ケットベクトル・・・」
しん 「ブラベクトルは任意次元の横ベクトル、Hは任意次元の行列、ケットベクトルは任意次元の縦ベクトル」*1
るな 「じゃあM_{fi}スカラーなんですね?」
しん 「うん。このあたりがわからない人は量子力学のハイゼンベルグ描像について勉強してくださいねー」
るな 「は〜い♪」
しん 「さて\frac{dn}{dE}(e^-,\overline{\nu_e)}をがんばって計算してやると以下の通り」
\frac{dn}{dE}(e^-,\overline{\nu_e}) = \frac{V^2}{4\pi^4\hbar^6c^3}p_{e^{-}}^2(E-E_{e^-})^2\sqrt{1-\frac{m_{\overline{\nu_{e}}}^2c^4}{E-E_{e^-}}}dp_e^-
るな 「この導出は?」
しん 「省略」
るな 「うにゅぅ・・・」
しん 「\lambda = \int \Lambda dp_{e^-}とすると、以下の通り」
\Lambda(p_{e^{-}})dp_{e^{-}} =  \frac{2\pi}{\hbar} |M_{fi}|^2  \frac{V^2}{4\pi^4\hbar^6c^3}p_{e^{-}}^2(E-E_{e^-})^2\sqrt{1-\frac{m_{\overline{\nu_{e}}}^2c^4}{E-E_{e^-}}}dp_e^-
しん 「で、このM_{fi}から電子とニュートリノ波動関数を計算してそれを外に出してやって残りをM_{fi}^{\prime}とすることにしよう」
|M_{fi}|^2 V^2 = F(Z_D,p_e{^-})|M_{fi}^{\prime}|^2
しん 「ただし」
F(Z,p_{e^-})=\frac{2\pi\eta}{1-e^{-2\pi\eta}}
\pm\eta = \frac{Ze^2}{4\pi\epsilon_0\hbar v_e^{-}}*2
しん 「このF(Z,p_{e^-})フェルミ関数って呼ばれるものなんだって。さて、早速これでさっきの式を書き直してみる」
\Lambda(p_{e^{-}})dp_{e^{-}} =   \frac{|M_{fi}^\prime|^2}{2\pi^3\hbar^7c^3}F(Z_D,p_e{^-})p_{e^{-}}^2(E-E_{e^-})^2\sqrt{1-\frac{m_{\overline{\nu_{e}}}^2c^4}{E-E_{e^-}}}dp_e^-
しん 「まあまあ。このルートの中を見てみるとさ、EE_{e^-}の差が小さくなると分母が大きくなってほとんど0になる」
るな 「うん。確かに。E_{e^-}が小さいときは無視できなそうです」
しん 「ってことはね、さっきの式の両辺のルートをとってE_{e^-}Eに近いときの値を見てやるとなんと直線にのっちゃうわけよ」
るな 「?」
しん 「・・・両辺ルートをとって変形してやると」
\sqrt{\frac{\Lambda (p_{e^{-}})}{F(Z_D,p_e{^-})p_{e^{-}}^2}}=\sqrt{  \frac{|M_{fi}^\prime|^2}{2\pi^3\hbar^7c^3}}(E-E_{e^-})(\sqrt{\sqrt{ 1-\frac{m_{\overline{\nu_{e}}}^2c^4}{E-E_{e^-}} }})
しん 「で、一番右の二重ルートがある括弧を無視すると右下がりな直線になってるのがわかるだろ。E-E_{e^-}に係数がかかってる」
えてぃ「ホントです」
しん 「これが巷で有名なカーリープロット。この傾きを計算すると結合定数がわかるんだけど、続きはまた次回!」
るな 「は〜い!」


P.S.怪しい議論がありましたらツッコミよろです。

*1:無限次元ということも有限次元ということもあるです

*2:v_{e^-}は崩壊後の電子の速度