第153回、はっぴー☆ちゃんねる:『弱い相互作用4:半減期。そして・・・』


るな 「おは☆はっぴ〜☆なのですよ!」
しん 「第153回はっぴー☆ちゃんねる!ナビゲータのしんに」
るな 「臨時のアシスタントのルナなのです!」
しん 「じゃあ前回の続きを行くですよ〜♪」
るな 「は〜い!」

半減期のお話

しん 「前回はカーリープロットについてやったけど、今回は半減期についてやりたいと思います!Are you ready?」
るな 「ひあ うぃー ごー♪」
しん 「じゃあ早速。半減期ってなーに?」
るな 「ある原子が原子核崩壊すると指数的に減少するんですけど、ある時間の個数が半分に減少するのに要する時間のことだと思うです」
しん 「うん。じゃあ単位時間に原子核崩壊する確率を\lambdaとしたとき、ある時刻の原子核の個数をN_0、t秒後の原子核の個数をN_tの関係式はどうなるでしょーか?」
るな 「カリカリ.../( ̄ω ̄;)エートォ...」
\frac{dN}{dt}=-\lambda N
\therefore N_t=N_0 \exp(-\lambda t)
るな 「ですです!」
しん 「OK。じゃあ半減期をTとしたら?」
\frac{1}{2}N_0=N_0\exp(-\lambda T)
\log \frac{1}{2} = -\lambda T
T=\frac{\log 2}{\lambda}
るな 「なのです!」
しん 「そうそう。というわけであとは\lambdaを求めればこれまでの話と半減期の話がつながる」
るな 「ドキドキ...」

弱い相互作用の結合定数

しん 「\lambdaは単位時間あたりにβ崩壊する確率\lambda_\betaは、0から電子の取り得る最大の運動量p_{e^-}(max)*1について積分したものになるから」
\lambda _{\beta^-} = \int _0 ^{p_{e^-}\max} \Lambda (p_{e^{-}}) dp_{e^-} = \int _0 ^{p_{e^-}\max} \sqrt{  \frac{|M_{fi}^\prime|^2}{2\pi^3\hbar^7c^3}}p_{e^-}^2(E-E_{e^-}) dp_{e^-}
しん 「とできるのはよい?」
るな 「単位時間あたりに反応した全確率だから反応した分について積分してあげたってわけですね?」
しん 「そうそう。次にこの運動量p_{e^-}\eta=p_{e^-}/m_0cw=E_{e^-}/m_0c^2と変数変換してさらに弱い相互作用の定数gを外にくくり出す、つまり|M_{fi}^{\prime}|^2=g^2|\overline{M}_{fi}^{\prime}|^2とすると」
\lambda_{\beta^-} = \frac{m_0^5c^4}{2\pi^3\hbar^7}g^2|\overline{M}_{fi}^{\prime}|^2\int_1^{w_0}F(Z_D,\sqrt{w^2-1})\sqrt{w^2-1}(w_0-1)^2wdw
しん 「でインテグラル以下をfとおく、すなわち」
f(Z_D,w_0)=\int_1^{w_0}F(Z_D,\sqrt{w^2-1})\sqrt{w^2-1}(w_0-1)^2wdw
しん 「とするとさっきの式は」
\lambda_{\beta^-} = \frac{m_0^5c^4}{2\pi^3\hbar^7}g^2|\overline{M}_{fi}^{\prime}|^2f(Z_D,w_0)
しん 「となる」
るな 「お、もしかしてあとはさっきの式に入れてあげればいい感じですか?」
しん 「ご名答!」
T=\frac{\log 2}{\frac{m_0^5c^4}{2\pi^3\hbar^7}g^2|\overline{M}_{fi}^{\prime}|^2f(Z_D,w_0)}
fT=\log 2 \frac{2\pi^3\hbar^7}{g^2m_0^5c^4|\overline{M}_{fi}^\prime| ^2}
しん 「この右辺の値がいわゆる『fT値』とよばれるものなんだ。」
るな 「この右辺|\overline{M}_{fi}^\prime|以外定数ですか?」
しん 「うん。この|\overline{M}_{fi}^\prime|もスーパーアラウドでの0^+\rightarrow0^+の遷移では|\overline{M}_{fi}^\prime|=\sqrt{2}になることがわかってるからこれから、定数gが求まる」
るな 「なんと!」
しん 「このgの次元はMeVfm^3だから無次元量である弱い相互作用の結合定数Gはgを用いて」
G=\frac{g}{m^i\hbar^jc^k}で表せるはず。で実際にやってみるとi=-2,j=3,k=-1であることがわかり弱い相互作用の結合定数Gがもとまる。そういうわけなのです!」
るな 「やっと結論なのですね?」
しん 「うん!よくここまでこれました!おめでとう!」
るな 「ヽ(*⌒∇^)ノ頑張ったのです〜♪」
しん 「というわけで次回は実際に実験をしてgを求めてみましょう!」
るな 「実験!?楽しみなのです♪」

*1:このときニュートリノの運動量は0